クレジットカードのトラブル

クレジットカード払いだと支払いが増える(無駄遣いが増える)というのは本当か?

よくクレジットカードやキャッシュレス決済に否定的な意見の一つとしてクレジットカード払いをすると支払いが増える(無駄遣いが増える)というお話があります。

これって本当なのでしょうか?また、仮に本当だとしたら、私たちはクレジットカードとどのように向き合い、カードを使った買い物をしていくべきなのでしょうか?

 クレジットカードで無駄遣いが増える理由

  1. カード払いだとお金を払った感覚が薄い
  2. 高い限度額(利用可能額)が判断を麻痺させる
  3. ポイント還元が逆に購入判断を鈍らせる

「メンタルアカウンティング=心の会計、心の家計簿」という言葉があります。行動経済学、行動ファイナンスで使われる用語です。

経済学では基本的に「人間は合理的に行動する」という前提で話が進みますが、行動経済学は「人は非合理的に行動する」という前提で研究されている分野です。

合理的な○○するはずなのに、人はなぜ××してしまうのか?ということを分析する学問ですね。

クレジットカード払いだと無駄遣いが増えるという話はこうした研究からも正しいといわれています。

カード払いだとお金を払った感覚が薄い

クレジットカードでの支払いは、財布から現金を出す必要がなくカードを出してサイン(暗証番号入力)だけでお買い物が終わってしまいます。場合によってはサインレスでカード提示だけで終わることもありますね。

そんな風にお金を直接使わないことで、お金を払った感覚が小さくなるそうです。つまり心の痛みが小さくなってしまい、買い物に罪悪感を感じず、無駄遣いが増えるのです。

高い限度額(利用可能額)が判断を麻痺させる

クレジットカードを契約すると数十万円単位の利用限度額が設定されます。この限度額は、キャッシング(カードローン)の限度額と同じで「あなたに貸せるお金」という意味です。

ただ、こうした限度額を=買い物してもよいお金と勘違いすることで無駄遣いが生じやすくなります。

行動経済学では人は「参照点からの移動の大きさ」でお金の動きを相対的に判断するそうです。

たとえば、1万円のお買い物は、今財布の中にいくらお金があっても1万円です。ですが、財布の中に10万円あるときの1万円のお買い物と、2万円しかないときの1万円のお買い物とでは心理的な抵抗感に大きな違いがあるそうです。

ここでクレジットカードの利用限度額が50万円あるという場合、100万円の中の1万円なら、たったの2%に過ぎません。こう感じてしまうことで無駄遣いによる心の痛みが小さくなるわけです。

ポイント還元が逆に購入判断を鈍らせる

クレジットカードを利用するお得な理由でもあるポイント還元。このポイント還元が逆に無駄遣いを産むことがあります。

クレジットカードのキャンペーンなどで期間中に○○万円以上お買い物したら1万ポイント還元!といったようなものに参加したことがある人も多いかもしれません。

ポイントは確かにお得ではありますが、あくまでも欲しいもの/必要なものを買った時に還元されるとう前提です。

ポイント還元があるから買い物をするという主従が逆転した状態だと、本来はしなくてよい支出をすることになり無駄遣いが増えます。

クレジットカードの無駄遣いはどう予防する?

クレジットカードが無駄遣いを誘発しやすいということは分かりましたが、具体的にどうやって無駄遣いを予防したらよいのでしょうか?

  1. 利用明細をチェックして無駄遣いを確認する
  2. 分割払い、リボ払いは使わない
  3. 利用限度額を引き下げる

利用明細をチェックして無駄遣いを確認する

明細のチェックは超重要です。
無駄遣いを予防するという効果もありますし、不正利用などの予防(発覚)のためにも習慣づけましょう。

また、最近ではMoneyFowardのようなオンライサービスとして複数のクレジットカードの利用状況などを一つの管理画面で確認できるようなサービスもあります。

複数枚のクレジットカードを利用しているというような場合はこうしたサービスも活用も有効です。

分割払い、リボ払いは使わない

支払いを先延ばしする分割払いやリボ払い、ボーナス一括払いは使わないようにします。

特に分割払いやリボ払いの場合は金利手数料の支払いも必要になります。預金金利がほぼゼロの時代に年率10%を超える手数料を払うのは無駄でしかありません。

リボ払い(リボルビング払い)については利息製造装置で、借金地獄への入り口サービスとも言われるほど危険です。

利用限度額を引き下げる

また、利用限度額を逆に小さくしてしまうというのも手です。
使える金額が大きいから使うという話の逆ですね。あと10万円までしかお買い物できない、という状況にしておけばメンタルアカウンティング的にもお買い物の痛みが増大し、無駄遣いを予防できます。

 

以上、クレジットカード払いだと支払いが増える(無駄遣いが増える)理由とその対策について紹介しました。

ABOUT ME
cardblogger
クレジットカードが趣味です。色々なカードを作ってみたり活用方法を考えたりするのが好きです。ホームページ形式よりも一つのテーマを掘り下げることができるブログ形式に最近変更しました。